「12年生って結局何歳?」YEAR10って?オーストラリアの学校事情

「オーストラリアの学校って、12年生まであるらしいよ」
そう聞くと、日本人なら「12年生って何歳?」「日本の高校1年生は何年生?」と戸惑いますよね。
日本では、小学校・中学校・高校へ進むたびに学年が1年生から始まります。一方、オーストラリアでは、Year 1からYear 12まで数字が続きます。
先に答えを言うと、Year 12は一般的に17~18歳で、日本の高校3年生頃に当たります。
ただし、日本とオーストラリアでは新学年が始まる時期が違い、入学年齢の基準日も州によって異なります。そのため、同じ年齢でも住む州や誕生日によって学年が変わることがあります。
さらに、オーストラリアではYear 10を終える頃から、大学進学、TAFE、職業訓練など、それぞれの進路に合わせた選択が始まります。大学進学で使われる「ATAR」も、日本の大学受験とは少し違う仕組みです。
「うちの子、日本では中学生だけど、オーストラリアでは何年生になるの?」
ふじこ日本では高校生の子供は、オーストラリアでは何年生になるの?」



年齢だけでは決められないんだ。住む州と誕生日も確認しないとね!
この記事では、移住や国際結婚、親子留学などでお子さんをオーストラリアの学校へ通わせる予定の方に向けて、次の内容を分かりやすく整理します。
- オーストラリアと日本の学年・年齢の違い
- Year 10以降の進路
- 大学進学に使われるATARの仕組み
- 公立・カトリック系・独立系学校の違い
- 子連れ移住前に確認しておきたいポイント
まず結論:Year 12は何歳?
オーストラリアのYear 12は、一般的に17~18歳です。日本の高校3年生に近い学年ですが、完全に同じではありません。
日本の学校年度は4月に始まりますが、オーストラリアでは原則として1月末から2月頃に新学年が始まります。さらに、入学できる年齢の基準日が州・準州によって異なるため、同じ年に生まれた子どもでも、誕生日や住む州によって学年が変わることがあります。
したがって、「日本で小学5年生だから、オーストラリアでも必ずYear 5」とは限りません。実際の編入学年は、生年月日、これまでの在籍学年、英語力などをもとに学校や教育機関へ確認する必要があります。
1.オーストラリアの学年は「通し番号制」
オーストラリアには、Year 1の前にFoundation Yearと呼ばれる最初の正式な学校教育の学年があります。その後はYear 1からYear 12まで、学年の数字が続きます。
Foundation Yearの名称は州・準州によって異なります。
オーストラリアと日本の学年対応表
※年齢と日本の学年は目安です。州・準州の入学基準日や本人の誕生日によって異なります。


多くの州ではYear 7からSecondary Schoolが始まり、同じ学校でYear 12まで学びます。ただし、学校制度や学校の区切り方には地域差があります。タスマニア州などでは、Year 11・12をCollegeと呼ばれる別の学校で学ぶこともあります。
こあらん:「Year 12なら、全員が18歳というわけじゃないんだね」
旦那P:「そう。日本との対応表は便利だけど、あくまで目安として見るのが大切だよ」
2.Year 10は進路を考える大きな節目
Year 10を終える頃になると、生徒はその後の進路を具体的に考え始めます。
- Year 11・12で大学進学向けの科目を履修し、ATAR取得を目指す
- Year 11・12でVETと呼ばれる職業教育科目を学ぶ
- TAFEや見習い制度、職業訓練へ進む
- 条件を満たしたうえで就労を中心とした進路を選ぶ
ここで注意したいのは、「Year 10を修了すれば、誰でも自由に学校を辞められる」という意味ではないことです。
州・準州によって細かな規定は異なりますが、多くの地域では一定年齢まで、学校教育、職業訓練、就労、またはそれらを組み合わせた活動への参加が求められます。
また、Year 11・12へ進むのは大学志望者だけではありません。学校に在籍しながら職業資格につながるVET科目を受講したり、TAFEと連携した実践的なコースを選んだりする生徒もいます。



Year 10のあと、みんなが大学を目指すわけではないのね?



そう。大学、TAFE、職業訓練、就労など、自分に合う道を選べるんだ


3.日本のような一発勝負ではない「ATAR」の仕組み
オーストラリアでは、日本の大学入試のように、大学ごとの一斉筆記試験だけで合否を決める方式は一般的ではありません。
大学進学で広く使われるのが、ATAR(Australian Tertiary Admission Rank)です。
ATARは「点数」ではなく「順位」
ATARは0.00から99.95まで0.05刻みで示されますが、試験の得点そのものではありません。同じ年齢層の中で、自分がどの位置にいるかを示す順位です。
例えばATAR 80.00は、同年齢層の上位20%程度に位置することを意味します。



テストで80点を取った、という意味じゃないよ
算出にはYear 12の科目成績、校内評価、州の最終試験などが使われます。ただし、対象科目や計算方法は州・準州によって異なります。
日本の大学受験と違う3つのポイント
① 文系・理系という固定された区分がない
日本のように、最初から「文系コース」「理系コース」と明確に分けない学校が一般的です。
卒業資格や志望大学の出願条件を確認しながら、興味や得意分野に合わせて科目を組み合わせます。
ただし、完全に何でも自由というわけではありません。医学、工学、理学系などでは、数学や理科の特定科目を履修していることが出願条件になる場合があります。
② 普段の授業や課題も重要
ATARにつながる評価では、最終試験だけでなく校内評価が関係する場合があります。
そのため、一度の試験だけに賭けるのではなく、授業、課題、テストへ継続的に取り組むことが大切です。
高校の授業そのものが進学準備につながる一方で、Year 11・12を通した積み重ねが求められます。
③ ATARだけで合否が決まらない学部もある
大学や学部によっては、ATARに加えて次のような条件が設けられます。
- 必修科目や英語力
- 面接
- ポートフォリオ
- オーディション
- 医学系などの適性試験
- 学校や居住地域などによる加点
実際の出願では、ATARに各種加点を反映したSelection Rankが使われる場合もあります。
「オーストラリアには大学入試がまったくない」と考えるより、「日本とは選考方法が違う」と理解する方が正確です。
4.ATARを取らなくても大学へ進む道はある
オーストラリアでは、ATARが大学進学への唯一の入口ではありません。
- TAFEでCertificateやDiplomaを取得してから大学へ進む
- 大学のFoundation CourseやPathway Programを利用する
- Diplomaから提携大学へ編入する
- 社会人向けの選考方法で出願する
- IB(国際バカロレア)の成績を利用する
高校卒業時のATARが希望に届かなかったとしても、その時点で将来が完全に決まるわけではありません。
別のコースを経由して大学へ進むルートが複数用意されていることは、オーストラリア教育の大きな特徴です。
5.オーストラリアの大学は公立が大半
オーストラリアの大学は公立大学が大半で、私立大学はごく少数です。
ただし、日本のように「国公立大学か私立大学か」という区分だけで志望校を選ぶ感覚とは少し異なります。
大学ごとの専門分野、入学条件、キャンパスの場所、学費、卒業後の進路などを比較して選ぶのが一般的です。
永住権や市民権の有無によって学費や利用できる制度が大きく変わるため、移住家庭ではビザの種類も重要な確認ポイントになります。
6.学校は公立・カトリック系・独立系の3区分
日本では「公立か私立か」という分け方が一般的ですが、オーストラリアの統計では、学校を主に次の3つへ区分します。
学校区分別の生徒数割合(2025年)
| 学校区分 | 生徒数の割合 | 2021~2025年の生徒数増減 |
|---|---|---|
| 政府立(Government) | 62.8% | −0.4% |
| カトリック系(Catholic) | 20.0% | +5.7% |
| 独立系(Independent) | 17.2% | +15.3% |
2025年の全生徒数は4,160,918人、学校数は9,673校です。
政府立に通う生徒が最も多いものの、近年は特にIndependent校の生徒数の増加が目立ちます。
なお、上表の増減率は「生徒構成比が何ポイント変化したか」ではなく、2021年から2025年までの生徒数の増減です。
私立校の中身も日本とは少し違う
- カトリック系や聖公会など、キリスト教系の学校が多い
- Independent校には歴史のある名門校や、独自の教育方針を持つ学校がある
- 非政府系の学校も、連邦政府や州政府から一定の公的資金を受けている
- カトリック系には比較的授業料を抑えた学校もある
「私立=すべて富裕層向けの高額校」とは限らないのね
ただし、授業料は学校によって大きく異なり、制服代、教材費、施設費、課外活動費などが別途必要になることもあります。



私立って、やっぱり全部すごく高いの?



学校によって全然違うよ。学費だけでなく、宗教、校風、通学距離も一緒に見た方がいいね
7.子連れ移住で忘れず確認したいこと
公立校には学区がある
多くの公立校には通学区域があり、原則として居住住所によって入学できる学校が決まります。人気校の学区内では、賃貸契約書や公共料金の明細など、実際に居住していることを示す書類を求められる場合もあります。
家を決めてから学校を探すのではなく、希望校の学区を確認してから住む地域を検討することも大切です。
ビザによって公立校の授業料が変わる
公立校だからといって、すべての家庭が必ず無料になるとは限りません。一時滞在ビザや学生ビザなどでは、州やビザの種類によって授業料が必要になる場合があります。
永住者、市民、一時滞在者、留学生では扱いが異なるため、移住先の州の教育機関へ確認しましょう。
英語サポートの有無を確認する
英語を母語としない子ども向けに、EALまたはEAL/Dと呼ばれる英語支援が用意されている学校があります。ただし、支援内容や専門スタッフの配置は学校によって異なります。
編入前には、英語力だけでなく、これまでに学んだ科目、本人の性格、必要な支援について学校へ伝えておくと安心です。
8.州別の入学基準日は必ず確認しよう
オーストラリアの学年を判断するとき、最も重要なのが生年月日と州・準州ごとの入学基準日です。
Foundation Yearの呼び方だけでなく、何歳から入学できるのか、何歳までに就学しなければならないのかも地域によって異なります。制度が変更されることもあるため、古い個人ブログだけで判断せず、移住先の州政府または教育省の公式サイトで最新情報を確認しましょう。
日本から編入する場合は、次の情報をそろえて学校へ問い合わせるとスムーズです。
- 子どもの生年月日
- 現在の学年
- 入学を希望する時期
- これまでの成績表や在学証明書
- ビザの種類
- 英語学習歴
- 特別な学習支援や健康上の配慮の有無
まとめ:子連れ移住なら押さえておきたい5点


オーストラリアの学校制度は、最初は複雑に見えます。しかし、「何歳だから何年生」と日本の感覚だけで当てはめず、住む州と子どもの生年月日から確認すれば、整理しやすくなります。
特に移住予定の家庭は、住居を決める前に学区と学校を調べ、ビザによる授業料や英語支援についても早めに問い合わせておきましょう。
参考資料
- Australian Bureau of Statistics「Schools, 2025」
https://www.abs.gov.au/statistics/people/education/schools/latest-release - Universities Admissions Centre「What is the ATAR?」
https://uac.edu.au/future-applicants/atar - Australian Government Department of Education「Australian Curriculum」
https://www.education.gov.au/australian-curriculum
※学校制度、就学年齢、授業料、卒業資格などは州・準州によって異なります。実際の入学・編入時には、移住先の州政府、教育機関および希望校の最新情報をご確認ください。








