【2026年版】オーストラリアのTAFEとは?学費・英語要件・ビザまで元TAFE生が解説

「オーストラリアで手に職をつけたい」「移住したいけど大学は現実的じゃない」——そんなときに必ず名前が出てくるのが TAFE(テイフ) です。

ただ、日本語で読めるTAFEの情報は留学エージェントの案内が中心で、「実際いくらかかるの?」「私のビザでも通えるの?」という一番知りたいところが曖昧なまま終わっていることが多いんですよね。

この記事では、TAFEの仕組みから学費・英語要件・卒業後のビザまでを一気に整理します。わたし自身がパースとゴールドコーストのTAFEに通っていたので、最後に体験談も添えました。

娘S子

TAFEって聞いたことあるけど、日本の専門学校みたいなものなの?

ふじこ

ざっくり言うとそう。でも学費のしくみも入学の条件も、日本の専門学校とはかなり違うんだけどね

こあらん

なんとなく「公立の専門学校」って感じかな〜

目次

TAFEとは?オーストラリアの公立職業教育機関

TAFEは Technical and Further Education の略で、オーストラリア各州が運営する公立の職業教育機関です。TAFEは実践的なスキルを身につけるための学校でCertificateやDiplomaなどの資格を取得でき、大学編入につながるコースもあります。美容、IT、看護、介護、建築、ビジネス、ホスピタリティなど非常に幅広い分野があります。州ごとに独立した組織になっていて、たとえば以下のような名前で呼ばれています。

  • ニューサウスウェールズ州 … TAFE NSW
  • クイーンズランド州 … TAFE Queensland
  • 西オーストラリア州 … TAFE International WA(TIWA)
  • タスマニア州 … TasTAFE

大きな特徴は、学問ではなく「仕事ができるようになること」に振り切っている点。保育士、看護アシスタント、大工、電気工事、美容、調理、ビジネスなど、現場に直結したコースが並びます。授業も座学より実習の比重が高く、実際の職場での実務研修(work placement)が組み込まれているコースも多いです。

大学・日本の専門学校との違い

TAFE・オーストラリアの大学・日本の専門学校の違いをまとめた比較表

※TAFEの資格はAQF(オーストラリア資格枠組み)に基づいて全国で通用します。

個人的にいちばん大きな違いだと思うのは 年齢層 です。高校を出たばかりの18歳の隣で、40代で転職を決めた人や、子育てが一段落した50代の人が同じ課題に取り組んでいる。「人生を仕切り直しに来る場所」という空気があります。

資格レベル早見表(Certificate から Advanced Diploma まで)

TAFEの資格レベル早見表(CertificateからAdvanced Diplomaまで)

移住を視野に入れるなら、注目すべきは Certificate III と Diploma です。求人の応募条件になりやすく、後述する卒業後のビザにも関わってきます。

学費 — TAFEには3つの料金体系がある

「TAFEの学費はいくら?」への答えが人によってまったく違うのは、同じコースでも立場によって払う金額が3段階に分かれるからです。ここを理解しないと、ネット上の情報がバラバラに見えて混乱します。

① Free TAFE(無料TAFE)

連邦政府と州政府が共同で学費を負担し、授業料が実質ゼロになる制度です。2023年から2026年にかけて15億豪ドルを投じ、全国で50万人分以上の枠が用意されてきました。

そして重要なのが、この制度が 2025年の法整備によって恒久化されたこと。2027年以降は毎年10万人分以上の枠が確保され、2034〜35年度まで16億豪ドル超の予算が組まれています。つまり「今年で終わるかも」と焦る必要がなくなりました。

対象分野は、介護・保育・看護・障害者支援といったケア分野、建設、技術系など、人材不足が深刻な領域が中心です。

② 州の補助つき料金(Subsidised training)

Free TAFEの対象外でも、居住者であれば州の補助を受けられるコースが多くあります。フル料金の数分の一で受講できるケースが一般的です。

③ 留学生料金(フル料金)

学生ビザで通う場合はこちら。コースにもよりますが、年間で数千〜2万豪ドル台になることが多く、①②とは桁が変わります。

娘S子

無料って、誰でも無料になるってこと?

ふじこ

それがビザと州によりけりで•••
なのでちゃんと確認してね🎵

【本命】ビザ別・受講資格チャート

ここがこの記事でいちばん大事なところです。Free TAFEや州補助を受けられるかどうかは、持っているビザ住んでいる州の組み合わせで決まります。

ビザ別にFree TAFE・州補助の対象になるかを示した受講資格チャート

国際結婚でオーストラリアに渡った方にとって、パートナービザの扱いが州によって違うのは見逃せないポイントです。同じビザを持っていても、住む州が変わるだけで学費がゼロになったりフル料金になったりします。

さらに細かい条件もあります。たとえばクイーンズランド州では、Free TAFEで無料になる資格は2023〜2026年を通してひとり1資格まで。ニューサウスウェールズ州では1学期につき1コースまでという制限があります。

また、多くの州で先住民、17〜24歳の若年層、求職中の人、無償で介護を担っている人、経済的に不安定な女性、男性中心の分野に挑戦する女性、障がいのある人などが優先枠として案内されています。

英語要件のリアル — 混同しやすい3つの基準

「IELTS何点あればTAFEに行けますか?」という質問には、実は3つの別々の答えがあります。ここを混ぜて考えると必ず混乱します。

TAFEの英語要件で混同しやすい3つの基準の一覧表

TAFE Queenslandの案内には、「ここに書かれた要件は学生ビザ申請の要件ではないので、移民局のサイトを確認してください」という注意書きがわざわざ入っています。学校の入学許可が出ても、ビザが下りるとは限らないということです。

州ごとの具体的な数字(2026年7月時点)

州ごとのTAFE入学に必要なAcademic IELTSスコアの一覧表

受験形式にも注意が必要です。TAFE Queenslandは自宅受験・オンライン受験の英語テストを一切受け付けていません。Academic IELTS(One Skill Retakeを含む)など、指定されたテストのみが有効です。

IELTSを受けずに入る方法もある

ここは意外と知られていないのですが、TAFE付属の英語コースを修了すれば、IELTSのスコアを提出しなくても本科コースに直接進める仕組みがあります。TAFE Queenslandでは、指定レベルの英語コースを修了すると、同等の英語要件を持つCertificateやDiplomaへ直接入学できると案内されています。

「IELTSで点が取れないから諦める」のは早いということです。

娘S子

試験一発勝負じゃないんや……!

ふじこ

そう。実はこのルート、わたしが通った道でもあるの🎵

卒業後はどうなる? 485ビザという出口

留学生としてTAFEを卒業した場合、次のステップになるのが Temporary Graduate visa(subclass 485)Post-Vocational Education Work stream です(以前はGraduate Work streamと呼ばれていました)。

主な条件は次のとおりです。

卒業後の485ビザ(Post-Vocational Education Work stream)の主な条件

英語テストにも細かい規定があり、会場での1回の受験で基準を満たす必要があります。複数回の結果を組み合わせることはできず、オンラインや自宅受験も認められません。

⚠️ 注意:485ビザの申請料は2026年に入ってから複数回改定されています。金額と条件は必ず移民局の公式サイトで最新のものを確認してください。

ふじこの実体験:TAFEに行って、結局大学には行かなかった話

ここまで制度の話をしてきましたが、最後にわたし自身の話をさせてください。

わたしはパースとゴールドコースト、ふたつの街でTAFEに通いました。旦那P君のお友達がTAFEスタッフだったこともあり、その彼のおすすめでTAFEを知り、ちょうどスタートの時期に間に合ったのでタイミングだ!と思って申請。スタートは英語のコースからです。

最終的にIELTS 6.5相当で大学へ進める合格証をもらいました。大学に通うことも考えましたが•••

——でも、結局わたしはオーストラリアの大学には行っていません。

TAFEに通ってる間にP君の日本での仕事が確定したので引っ越すことになり、進学の話は流れました。合格証は、使われないまま手元に残りました。

こあらん

えっ……じゃあ、あの努力は無駄になったってこと?

ふじこ

ううん。まったくそんなことないよ。

あのとき学び直した英語は、今もわたしの中にあります。オーストラリア人の夫と暮らしているのも、このブログを書けているのも、現地で英語をやり直したからです。

そして何より、TAFEのクラスで出会った友人たちとは、今でも連絡を取り合っています。世界中から集まった同級生たちは、それぞれ別の国に散らばって、それぞれの場所で活躍している。あの教室は、資格を取る場所であると同時に、人生を仕切り直しに来た大人たちが集まる場所でした。

留学エージェントの記事は、たいてい「TAFE → 485ビザ → 永住権」というゴールに向かって書かれています。でも実際にTAFEに通った人の多くは、そのレールをまっすぐには進みません。進路が変わったり、別の国へ移ったり、家族の事情で帰国したり。

それでも残るものがあります。身についた語学と、そこで出会った人。TAFEを「移住の手段」としてだけ見てしまうと、この部分をまるごと見落とすことになります。

まとめ

  • TAFEは州が運営する公立の職業教育機関。実務直結で、年齢層が驚くほど幅広い
  • 学費は「Free TAFE / 州補助 / 留学生料金」の3段階。どれに当てはまるかはビザと州で決まる
  • Free TAFEは2025年の法整備で恒久化。2027年以降も毎年10万席以上が確保される
  • パートナービザの扱いは州によって違う。国際結婚組は住む州の条件を必ず確認
  • 英語基準は「TAFE入学」「学位コース」「学生ビザ」の3つが別物。混同しない
  • IELTSが足りなくても、付属の英語コース経由で入学できる道がある
  • 卒業後は485ビザ(Post-Vocational Education Work stream)が主な出口

そして最後にもうひとつ。思い描いたとおりに進まなくても、TAFEで過ごした時間は無駄になりません。これは制度の話ではなく、実際に通った人間としての実感です。

📌 この記事の情報は2026年7月時点のものです。TAFEの受講資格・補助制度・ビザ要件は州ごと、年度ごとに変更されます。申請前に必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。

参考リンク(公式)

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